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日田・小鹿田/Hita, Ontaya-yaki

1)人と自然が一緒につくる文化的景観
 
小鹿田の集落とその周辺は「重要文化的景観」に指定されています。
 
文化的景観とは、人々が伝統的な生活を続け、その地に生き続けることで、守ら
れる自然と人とで作っていく景観 です。
 
人が住み続けられなければ、その景観は変わって別ものとなり、消えてしまいます。

2)沢水の流下だけで こっとん こっとん 粘土を挽く 

 

・小鹿田焼の里は、自然の水の流下エネルギーの力のみを使って、粘土を挽いています。

 

「唐臼」は、この地で陶器づくりが始まった時点から使われてきたと考えられます。 

 

山から下ってきた沢の水を臼の小屋に、小さな水路をつくって引き入れます。 木の道具が上下し、粘土の原料の土の塊を粉にしていきます。 

 

・木製の大きなひしゃくのような道具には、水を受けるための凹みがあり、そこに水が貯まり、道具が下がってい きます。

しかしある限度以上の重さになると、その水がこぼれ、トンと跳ね上がって元に戻ります。

その時に、おの道具の反対側が、ハンマー のような杵となって、粘土の塊を砕いていくのです。 

 

・山からの小さな流れである沢。この沢が絶えず流れていることが、唐臼は陶器の原料を作り続けるのです。

3)小鹿田焼の器を乾かす
 
・器が形作られた後、長い板に上に並べられて自然乾燥します。
 
・この工程では、日光の当たり具合が均等になるように、風が当たり過ぎないよ
うに注意します。一部が急激に乾 燥すると、器が歪んでしまうからです。干す
場所を微妙に選び、移しながら、器全体がきれいに乾燥するように終日気を使い
ます。
 
・小鹿田の人々は、このような作業を通じて、温度、湿度、風に自ずと敏感に
なったのでしょう。
 

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