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今津長浜海岸。博多湾の西側の白砂青松の砂浜。
福岡西区にある都市部からそんなに遠くない素敵な空間。
その美しさの割にはプライベート・ビーチ状態。
この砂浜では、海岸の水と大地と空気ダイナミックな姿、時々刻々変化していく景観が観察できます。
拾い物としてはさほど多くないですが、砂浜の生物の殻が。
しかし思いがけない宝物も!椰子の実や紫蛸など、対馬暖流が運ぶ珍しい生物が漂着するのです。

1 冬の玄界灘の景色。湿った空気と大陸からの寒気がもくもく雲をつくります。
沖には玄界島、左に糸島半島が見えます。

 

2 毘沙門山の海側は砕石場なので絶壁になっており、独特の景観になっています。
左に能古島が見えます。
ウインドサーフィンができる砂浜です。

3 博多湾の対岸の志賀島が見えます。冬の季節風によって泡立つ白波。これが酸素を海中にどんどん溶かし、玄界灘の豊かさをつくります。

4 白波が砂浜で砕けて、水が砂の中に浸透していきます。波が運んできた有機物を食べる小さな生物たちが砂の中に住んでいます。砂浜は自然のフィルターです。

5 夏の今津長浜海岸。青く美しい海が広がっています。

6 同じく夏の今津長浜海岸。

7 砂浜の縞々の風紋。風が吹いてきた方向が印されているのです。

8 椰子の実が漂着。対馬暖流に乗って、亜熱帯以南から流れてきます。

9 白砂青松の海岸は、江戸時代から潮気に強く、防風・防砂効果がある黒松が植林されてきました。今津長浜の松林には、さまざまな歳の松がみられます。戦後に、海岸保安林としてさらに海側を多少埋め立てて造林が進んできました。

松林の中は人が歩けるぐらいの空間があいており、光が入って明るくなっています。また、林床に松以外の木や草が生えにくいように管理がなされています。

10 元寇防塁。国指定史跡です。昭和6年に指定されました。

11 元寇防塁は、いわずと知れた鎌倉時代に築造された石垣です。現在は砂丘のなかに埋もれており、石垣のてっぺんが石の列になって並んでいる状態です。

12 元寇防塁の一部は発掘され、野外に復元展示されています。フェンスごしに観られます。

写真・文 清野聡子(九州大学大学院工学研究院環境社会部門)

福岡-今津長浜海岸-冬景色

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